お客様は神様か?

2019/06/04

 法的には、お客様は神様ではない。

 なぜなら、契約の多くは対等な当事者の対価的合意であり、一方が優位な「神様」との合意ではないからである。

 だから「神様」だと思っているお客の「俺は客やぞ」というクレームに合理性のないことが多い。クレームがあるとしたら、契約内容の具体的な不具合を指摘するべきであり、「神様」を前提とした、客の言うことは何でも聞けという態度に説得力はない。

 だが、お店の側が一方的に「お客様は神様です」と思い、そして、もてなすことは日本社会の美徳ではある。

 ただ、これをお客の側が要求すると美徳ではなくなってしまうのである。

 

 

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