詐欺罪

出資を募ったが生活費に当てた。ちょっと借りただけで後で返すつもりだ。詐欺の疑いが生じます。

① 定義

人を騙して金品を交付させる犯罪です。

② 法定刑

10年以下の懲役

③ 弁護方針

<犯行を行ってしまった場合>

起訴前の捜査段階で示談が成立すれば不起訴の可能性が高まります。

物を返す、弁償する以上に慰謝料を支払う示談まで要求される場合があります。詐欺の被害者の方は、騙されたこと自体の精神的ショックによるダメージが大きく、この被害回復が重要となる場合があるのです。

<お金を借りただけで詐欺ではないとの言い分>

詐欺罪が成立するには初めから騙すつもりであったという要件が必要です。ですから、お金を借りる時に返す意思があれば詐欺罪は成立しません。

もっとも、「返す意思」は裁判官の目からの客観的考察がなされ、例えばずっと収入がなくこれからも収入がない人の「何とかして返すつもりだった」は「返す意思」とはならないことに注意する必要があり、「返す意思」の客観的裏付けが重要となります。

④ 特徴

昨今、オレオレ詐欺等の特殊詐欺等が増加しており、二人以上で行うと組織犯罪詐欺として立件され、その犯罪収益が自己の財産と混在すると元々の財産も含めて根こそぎ凍結される可能性(自己の預金通帳が使えなくなる可能性)があります。

 

⑤ 解決事例

A事例:在日外国人から盗んだ預金通帳を使った預金引き下ろしを依頼された。盗まれた預金通帳だとは知らず、本人からの依頼だと思って引き下ろしたら逮捕勾留された。→盗まれた預金通帳である認識がなかったので、詐欺罪の故意を欠くものとして否認を貫く。弁護士が連日の接見で否認を貫くことをアドバイスした結果、調書の内容は否認調書となった。→2件の詐欺等で起訴された。→1件目を故意否認、2件目の預金引き下ろしの際には在日外国人の預金通帳でないことに気づいたので認める方針で公判に臨んだ。→1件目の詐欺等が無罪となった。

B事例:医療機関が診療報酬を水増し請求した。→弁護士が診療報酬を扱う自治体と交渉し、水増しした金員を返却した。→不起訴。

C事例:出資金を募る詐欺で逮捕勾留。→捜査段階で被害者の方と交渉するも処罰意思が強く示談不成立。→起訴。→保釈。→公判と並行して弁護士が被害者の方と再度交渉し、示談成立。→執行猶予判決。

 

⑥ 法規

(詐欺)

刑法二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

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