先輩後輩関係の論理
2020/10/21
高校・大学でのクラブ活動において、後輩が先輩に服従するという習慣が多くの学校に存在することは周知の事実である。
しかしながら、当然のこととして、後輩は先輩に服従すべしという法令はない。
では何故、後輩は先輩に服従し、先輩は後輩を支配下におくのか? その根拠はどこにあるのか?
考えられる最も有力な直接の根拠は「長幼の序」であろう。
年長者と年少者との間にある秩序で、子どもは大人を敬い、大人は子どもを慈しむという意味を持つ。
主として孟子が唱えた五倫の一つで、儒教の教えである。
とすると、儒教に従う意思のない後輩には先輩を敬う根拠がなくなる。
また、儒教に従う意思のある後輩であっても、慈しみのない先輩を敬う根拠はなくなる。
先輩は、根拠は法令でなく儒教であり、また「敬い」と「慈しみ」は対価関係にあることを自覚すべきである。