痴漢

今、痴漢で疑われ駅事務所にいる。この先どうなるのか。

①定義

痴漢とは、電車内等で女性の体に触る行為です。 強制わいせつ罪との違いは、大ざっぱに言って、強く触る(強制わいせつ罪)か、弱く触れる(痴漢)かといったところです。

② 法定刑(大阪府の迷惑防止上程違反)

6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
常習性があれば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

③ 弁護方針
<犯行を行ってしまった場合>

痴漢の場合、被害者の方は見知らぬ人です。被害者の方に電車から降りるよう促され、駅事務所に連れて行かれます。そして、程なくして警察官が現れ、逮捕されることが多いのです。
この際、線路に降りて逃げると鉄道営業法違反で罪を重ねる事になります。更に恐ろしいのは、電車を止めることになり鉄道会社から莫大な損害賠償請求される立場になります。この民事責任に関し、金額によっては一生の問題となってしまいます。

犯行を行ってしまった以上、自ら清算すべきで刑の軽減に力を注ぐべきです。会社にばれても、痴漢=クビではなく労働審判で争えます

逃げることによる刑事民事双方での罪の拡大の危険よりも、自らの清算による再出発の方が重要です。3年後、5年後、10年後、本心で笑ってられる生活を送れるのは清算した場合でしょう。

痴漢をしてしまい、被害者の方との話し合いになった場合、「今回は大目に見るけど、次からしないように。」という甘い展開にはなりません。

また、被害者の方や警察の側から許してもらえるための提案が出てくる訳でもなく、ただ待っていても何も進まず、放置すると刑事手続がどんどん進みます。

刑事手続を止めるためには、こちらの方から示談を申し出、真摯な謝罪と誠意のある具体的な対応をしなければなりません。

その対応はできる限り早く、そして被害者の方の納得が必要なのです。

 

<犯行について身に覚えがない場合>

痴漢に疑われた場合、前述のように現行犯逮捕にまで至る可能性があるのが最大の問題点です。だから逃げるという選択をする人がいますが、前述のようにリスクが大きいのです。

名刺を渡してその場を離れるという説もありますが、事実上その場を離れることは不可能な場合もあります。

その場でネット等で検索して弁護士を呼ぶことが今のところベターなのではないでしょうか(逮捕されていなければ携帯電話の使用は自由です。逮捕された場合は携帯電話の使用は制限されますが警察に対して当番弁護の要請ができます。)。

弁護士は、①駆けつけて警察官と在宅捜査の交渉をする、②逮捕されてしまった場合、繊維片調査等を要求して嫌疑不十分による釈放を要求する等防御の限りを尽くします。
疑われただけで人生お終いという風潮がありますが、お終いではありません

徹底的に闘って冤罪を晴らす使命を全うすることにより周囲の見方も良い方向に行くものなのです。

弁護士は冤罪を晴らすエネルギー・エンジンとなります。

④ 特徴

前述のように痴漢は人違い等で冤罪が問題になっている犯罪です。
逮捕された場合、やっていなくとも釈放されるためにとりあえず認めてしまうと後で真実に戻せなくなるということが多々あります。
早期に弁護士に依頼すれば、接見等を通じて虚偽の自白に巻き込まれるリスクがなくなるのです。

⑤ 解決事例

路上でナンパしたら無視されたので胸を触って逃げた。逮捕はされず、防犯カメラで特定され警察から出頭要請がきた。→弁護士が被害者の方と2度面談し、示談成立。→不起訴(会社には知られず)。

 

 

⑥ 法規

大阪府迷惑防止条例(正式名称:大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)

第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

一 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。

第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

二 第六条の規定に違反した者(第十五条の規定に該当する者を除く。)

2 常習として、前項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

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