憲法問題その1

2025/08/13

以前、原理と原則は異なり、原則に例外はあるが、原理に例外はないと説いた。そして、原理に例外っぽいものがあるとすると、それは別の原理であると言及した。
この原理に例外がないというテーゼは、憲法を説明する道具として秀逸である。

憲法は最高法規である(98条)。最高なのだからナンバーワンである。ナンバーワンだからナンバーツーなどには勝ち、ナンバーワンを負けさせる例外がない。
だから憲法は原理である。
しかし、憲法は103条ある。
表現の自由(21条)や財産権(29条)がある。21条も29条も憲法なのでどちらもナンバーワンであり原理である。
どちらもナンバーワンなので21条と29条に優劣はない。

では21条原理と29条原理がぶつかった時どうするか。優劣はない。
例えば、Aさんの家(財産権)にBさんが政治的な意見表明のポスターを接着剤で貼り付ける(表現の自由)。
財産権が大事だという人、表現の自由が大事だという人、意見が分かれる。ここに原理と原理の衝突が生じる。
これは価値観の対立であり、優劣はないので引き分けのはずである。
しかし、衝突しているのでどちらか優先させなければ社会が動かない。

ここで登場するのが国会である。
価値観(原理)と価値観(原理)が衝突するので多数決で決めざるを得ず、国権の最高機関である国会の多数決で決するのである。この多数決で決する方法が立法である。
件の立法は刑法261条(器物損壊罪)で、多数決は財産権を優先させたのである。

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